奈良県議会・自民会派が修正案発表 「ゼロベースで防災態勢検討を」
奈良県議会の最大会派「自民党・無所属の会」は22日、新年度当初予算の修正案を発表した。五條市での大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の整備構想や県立橿原公苑を中核的広域防災拠点に位置づける前提で提案された防災態勢の検討費用を削り、代わりに有識者も交えて「ゼロベース」で防災の基本構想をつくる事業費を新たに盛り込んだ。
修正案は25日の本会議で提案される。予算総額は県が提案している原案と同額で、事業費を組み替えた。
修正案では、原案にある防災支援受け入れ態勢の検討費と大和高田市への消防学校移転整備費を削除・減額したうえで、「総合防災体制基本構想策定費」を新たに盛り込んだ。メガソーラー整備などの前提を設けず、有識者会議を踏まえて県全体の防災態勢を検討していくための予算という。
同会派の池田慎久、川口延良両議員は記者会見を開き、「ゼロベースでの検討」を強調。池田氏は「(防災拠点の中心が)橿原だ、五條だということの前に、県全体として防災態勢はどうあるべきかということをまず考えていく必要がある」と話した。
川口氏は、橿原公苑は液状化リスクやヘリの離着陸に課題があるのではないかと指摘。「専門家の意見を聴き、適切な場所を選定していきたい」と話した。
県が提案した新年度予算案は、19日の予算審査特別委員会で、自民、公明の両会派が反対し否決された。25日の本会議では自民の修正案が可決される見通しだ。ただ、その場合、山下真知事が拒否権を行使して再議にかけるかどうかが焦点になる。
山下知事はこの日午前に開いた定例会見で、修正案について「まだ精査していない」として具体的評価を避ける一方、「修正案を出して県民生活への影響を最小限に食い止めようとされること自体は、議会として県民に対する責任を果たそうとする意向の表れと受け止めている」と述べた。
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