吉野町役場、移転に向けて準備 審議会が答申 候補は吉野北小跡地
大野博
奈良県吉野町の審議会は2日、町役場庁舎を旧吉野北小学校跡地に移転することを軸とした基本構想案を中井章太町長に答申した。中井町長は答申を受けて移転に向けた準備を進める考えを示した。
中井町長は2022年9月、旧吉野北小跡地を移転候補地とする考えを町議会に示し、町民説明会も開いた。だが、反対する請願書が町議会に出され、23年3月に「いったん白紙に戻す」と表明した。
同年11月に「町行政サービスの変革・新庁舎整備検討審議会」が発足。町長からの諮問を受けて、町役場の移転候補地やまちづくりのあり方について討議してきた。
基本構想案では、町西部の上市地区にある現庁舎の建て替え案について「周辺に木造住宅が密集しており、火災や地震の際に緊急車両の進入路や駐車スペースの確保が困難」と指摘。町中央部の龍門地区にある旧吉野北小跡地への移転については、駐車スペースが広く確保でき、03年築の旧校舎南棟などを改修して使えばコストが抑えられることなどを利点として挙げた。
町役場庁舎の移転問題は1月の町長選の争点にもなり、現職の中井町長が現在地での建て替えを主張する新顔を小差で破り、再選された。