気象庁が南海トラフ地震臨時情報を発表 関連を調査する検討会を開始

大山稜
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 13日午後9時19分ごろに発生した日向灘を震源とする最大震度5弱、マグニチュード(M)6.9の地震をめぐり、気象庁は13日午後10時30分から、南海トラフ地震と関連があるか評価する検討会を始めると発表した。発生から1~2時間後、巨大地震発生の可能性が平常時より高まったかどうか、明らかにする。

 気象庁が発表したのは、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」。発表されるのは制度導入以来2度目。

 調査を行うのは専門家らで構成される気象庁の検討会。東海から九州の太平洋沖にかけて広がる想定震源域のうち、今回発生した地震の震源とは離れた場所でも巨大地震発生の可能性が高まったと判断すれば、政府が住民に警戒を呼びかける。

 想定震源域でM8級の地震が起き、南海トラフ地震と関連があると検討会が判断すれば、気象庁は「巨大地震警戒」として次の臨時情報を発表する。発表されれば、政府は後発地震による津波で高台への避難が間に合わない地域に対し、最初の地震で被災していなくても1週間程度の事前避難を求める。対象地域は市町村が定めることになっている。

 M7級の地震で南海トラフ地震との関連があるとされれば、気象庁は「巨大地震注意」として臨時情報を発表する。これに伴い、政府は非常持ち出し品を常に身近に置いておくなど「特別な備え」を呼びかけるが、事前避難は求めない。

 いずれにも当てはまらないとされた場合は「調査終了」となるが、大規模地震の可能性がなくなったわけではないため、通常の生活のなかで家具の固定や食料備蓄の確認など地震に備える。

 臨時情報導入前の2017年までは、東海地震の発生を予知した場合、大規模地震対策特別措置法に基づき、首相が警戒宣言を出し、鉄道を止めるなどの防災対応をとることになっていた。だが、政府の中央防災会議は「予知は困難」と科学的知見から判断し、巨大地震への対応策を見直した。

 臨時情報は、24年8月に宮崎県日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生した際に初めて発表され、29都府県707市町村の住民を対象に1週間、後発地震への注意が呼びかけられた。

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