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証書/証明書のデジタル化、脱紙文化への打開策とは

団体・企業で発行される品質保証や資格・認定などの証明に代表されるさまざまな証書 / 証明書の多くは、いまだに紙で発行されています。しかしながら郵送費の値上げや物理的作業員の人手不足に対応するためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務改善が急務です。証書 / 証明書の発行における脱紙文化のための課題やポイントを解説します。

 署名した文書の例

証書 / 証明書デジタル化のポイントとは

証書や証明書をデジタル(デジタル文書)化すること自体は、それほど難しいことではありません。実際、既存の紙で発行されている証書や証明書も、印刷前には PDF 形式などのデジタルデータとして出力されているケースが一般的であると考えられます。

そのため、デジタル化における課題は、以下のようなデジタル特有の課題に集中しています。

1. セキュリティと改ざんのリスク

デジタル化を進める際、まず懸念されるのが「セキュリティ」と「改ざんのリスク」です。紙の証書とは異なり、完全に同一のデジタルコピーが容易に作成できる点や、記載された情報(内容)が改ざんされ、不正な文書として流通するリスクが挙げられます。

これらのリスクを解決するために用いられる技術として、「電子署名」や「e シール」を利用するケースが一般的です。これらの技術は、文書を作成した個人や組織を証明し、発行元を受領者が確認できるように明示することで、なりすましによる不正文書の抑止に役立ちます。

2. 普及と受け入れの課題

デジタル化を推進するうえでは、「提供先への普及と受け入れ」も重要なポイントです。証書や証明書を流通させる際、多くの場合、PDF ファイルへの電子署名や e シールが利用されます。これは一般的に、普及しているアプリケーション(Adobe Acrobat Reader 等)によりユーザーにわかりやすく表示されるというメリットがあるためです。また Adobe Acrobat で検証可能な証明書である「AATL(Adobe Approved Trust List)」対応の電子証明書によって電子署名や e シールを使用することにより視覚的に安心感があり、提供先での信頼性や利便性を確保できます。

3. 技術的導入の課題

「技術的な導入に伴う課題」も無視できない課題となります。電子署名や e シールの技術を取り扱う際には、専門的な知識や技術が必要になるのが一般的です。サイバートラストでは、これらの技術をさまざまな利用環境に合わせて提案可能です。具体的な実現方法や導入方法はぜひお問い合わせください。

証書 / 証明書デジタル化ユースケース:「JCSS 校正証明書」

ユースケースとして品質保証の分野における「JCSS の校正証明書」 を例として挙げます。「JCSS の校正証明書」に関しては 2024 年 9 月 30 日に独立行政法人製品評価技術基盤機構認定センター(以下 Nite)が「JCSS 校正証明書の電磁的発行に係るガイドライン 」の第 1 版を公開しています。

JCSS(Japan Calibration Service System):校正事業者登録制度(計量法に基づく計量法トレーサビリティ制度)

本ガイドラインでは、紙文書からデジタル化するあたり、課題となるセキュリティをポイントとして、いくつかのパターンを挙げて利用例を示しています。

  1. 第三者認証局が発行する電子証明書(e シールを含む)を伴う電子署名及びタイムスタンプの付与
  2. 第三者認証局が発行する電子証明書(e シールを含む)を伴う電子署名のみの実施
  3. 第三者認証局が発行するタイムスタンプのみの付与
  4. 自ら電子証明書を発行する簡易的電子署名
  5. ハッシュの利用

上記のように利用例を挙げていますがセキュリティのレベルとしては「1.第三者認証局が発行する電子証明書(e シールを含む)を伴う電子署名及びタイムスタンプの付与」を満たすことで、ある程度のセキュリティ的な懸念点が解決されています。

以下は各パターンの比較になります。

比較項目​ タイムスタンプのみ​ 電子署名(e シールを含む)のみ​ 電子署名(e シールを含む)&タイムスタンプ
発行者の特定

×​

※悪意のあるユーザが別途タイムスタンプを調達し、作成するリスクがあります。

※電子署名の場合は、個人単位
e シールの場合は、組織単位
で証明可能​

〇​

※電子署名の場合は、個人単位
e シールの場合は、組織単位
で証明可能​

改ざんの検知​

※ファイルを開いた際に改ざんの有無を確認可能​

付与後の改ざん検知が可能​ 付与後の改ざん検知が可能​ 付与後の改ざん検知が可能​
作成日時の証明​

〇​

×​

〇​

署名検証可能な期間​ 10 年  +  延長可能​
※一般的な期間​
1-3 年程度​ 10 年  +  延長可能​
※一般的な期間​

まとめ

証書 / 証明書のデジタル化を解決するには、デジタル特有である特にセキュリティの観点で対策が必要であり、これら技術には電子署名(e シールを含む)やタイムスタンプを組み合わせることで実現が可能です。

サイバートラストでは、PDF デジタル署名を用いた証書 / 証明書の署名や e シールを簡単に実現できるトラストサービス「iTrust(アイトラスト)を提供しています。証書 / 証明書のデジタル化にあたっては、「iTrust 電子署名用証明書」ならびに「iTrust リモート署名サービス」で実現することができますので、お気軽にお問合せください。

実際の導入の前に、「iTrust リモート署名サービス」を無償トライアルでご利用いただけます。自社システムとの接続性検証や開発、技術評価に是非ご活用ください。

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