伊藤忠エネクス株式会社

顧客責任・保安とエネルギー安定供給

●方針と考え方

・顧客責任

伊藤忠エネクスグループ顧客責任方針

様々な地域でエネルギーを中心とした多様な企業活動を行っている伊藤忠エネクスグループは、下記の事項を実践し、お客様に対してより安全・安心な製品・サービスを安定供給するための安全管理と保安に努め、顧客に対する責任を果たしてまいります。

1.取扱製品の品質の安全管理と保安の重要性認識
2.取扱製品に関する安全関連の法令に定められた義務の遵守
3.安全管理と保安をバリューチェーンに浸透させるための取組推進
4.安全管理と保安に関する社内教育の推進
5.安全管理と保安に関する情報伝達ルートの確立
6.万が一事故が発生した場合の迅速・適正な対応

・保安

保安に関する基本的な考え方

お客様へエネルギーを安定的に供給し、安心安全にご使用いただくために

「保安はすべての業務に優先する 保安無くして事業無し」

の標語の下、事故防止に努めています。

・広告・マーケティング

責任ある広告・マーケティングについての考え方

伊藤忠エネクスグループは、経営理念「社会とくらしのパートナー」、行動規範「有徳~信義・誠実、創意・工夫、公明・清廉」ならびにグループ行動宣言のもと、広告およびマーケティング活動に際して下記の事項を実践し、社会的な責任を十分考慮した取組みを行っています。

1.広告
・顧客に対するブランドイメージの向上・浸透を行うための視覚的な統一感を図るブランドガイドブックの整備
・適切な表現・内容・媒体で広告宣伝を行うための社内ルールの整備
・誹謗中傷、差別的表現、誇大・虚偽表現、宗教や政治的信条、環境・第三者のプライバシー、個人情報や知的財産権に対する十分な配慮
・適切な広告・宣伝活動の取組み推進のためのグループ会社向け教育活動

2.マーケティング
・関係法令、社内規程、社内ルールの遵守
・他者の権利・信用・名誉等を侵害せず、誤解を招かない内容・表現の徹底
・様々なステークホルダーとの対話を重視した責任あるマーケティング活動

 

●体制・システム

・保安推進体制

各事業および各グループ会社にて保安責任者を選任し、保安責任者は保安管理に関する基本方針の作成から現場での法令遵守と管理徹底、保安管理状況の把握、事故の未然防止、自主保安監査などを計画的に実施しております。さらに各事業およびグループ会社では法定基準より厳格な自主保安基準に基づき、毎年各事業にて各地の保安監査を行っています。施設管理と保安体制を連携させ、事故及び法令違反の未然防止に努めています。

ホームライフ事業 グループ会社
カーライフ事業 グループ会社
産業ビジネス事業 グループ会社
電力・ユーティリティ事業 グループ会社
 保安責任者の役割
・保安管理に関する基本方針の策定
・保安管理に関する指示・指令・教育および自主保安基準の作成
・保管管理状況の把握
・事故等の未然防止策
・自主保安に基づく自主保安監査の実施
・その他、環境安全・保安管理の推進と徹底

・LPWA(Low Power Wide Area)【LPガス集中管理システムの導入】

伊藤忠エネクスグループでは、LPガス集中監視システム「LPWA」を活用し、保安の高度化に取り組んでいます。LPWAとは、「省電力かつ広範囲での無線通信が可能」という特長をもった通信技術の総称で、LPWA機器を利用者宅に設置することで24時間集中監視が可能となり、ガスの消し忘れ等による事故を未然に防止します。また、自動検針やガス容器交換の事前予測をリアルタイムに確認することができます。2021年度以降、グループ会社におけるLPWA設置率は7割を超えており、伊藤忠エネクスホームライフ北海道㈱、伊藤忠エネクスホームライフ東北㈱、伊藤忠エネクスホームライフ西日本㈱、伊藤忠エネクスホームライフ四国㈱は認定液化石油ガス販売事業者制度の中で「第一号認定LPガス販売事業者(ゴールド保安認定事業者)」として認定されております。

・コンタミネーション防止装置装着のタンクローリー導入

ガソリンスタンドでのコンタミネーションを防止するため、ハイテク操作ユニットを搭載したローリーを導入致しました。
システム導入により人為的ミスが軽減されより安全な荷下ろしが実現しました。

・保安業務のDX化(タブレット端末導入)

LPガス設備やガソリンスタンドでの点検にあたりタブレットツールを導入しています。システム導入することで点検漏れを防ぎ、供給機器交換の期限管理を適正に行い、管理ミスによる期限切れを事前に防いでいます。また点検結果をリアルタイムで共有可能となったことで、問題が発生した際は迅速に対応できる体制となっております。

・品質マネジメント(ISO9001)の取得

グループ会社の伊藤忠工業ガス㈱では、高圧ガスの製造・販売ならびに、高圧ガス容器と附属品の再検査、高圧ガス容器の輸入検査業務、高圧ガス容器の諸手続きに付帯する業務について国際規格であるISO9001(品質マネジメントシステム)認証を2000年から取得しています。さらに尿素水アドブルー製造に伴う商標認証であるVDA(2021年)ならびに、米国運輸省による航空機用ガス容器再検査の認証規格であるDOTを取得し(2022年)、各事業における品質マネジメントの維持・向上に取り組んでいます。
 
伊藤忠工業ガス株式会社の品質方針ホームページは、こちらをご覧ください。
 

●グループ内での取組み

・保安情報の発信

LPガス等を取り扱うホームライフ事業では、販売店様向けに部門誌やLINE配信サービス「D-NEXT」を通して随時保安情報を発信しています。
ガソリンや軽油等を取り扱うカーライフ事業では、石油製品やCS設備の安全を確保するために「カーライフステーション運営の手引き」を各CSへ配布しています。これを通じ危険物保安監督者の主な業務や施設と設備の定期点検、防火・防災教育や産業廃棄物の適正処理など、保安の徹底指導を行っております。

・資格取得の補助

当社グループでは社内勉強会やEラーニングの提供、ホームライフ事業においてはD-NEXTチャレンジを用い社内や販売店向けに研修コンテンツを多数用意しております。また、経済産業省より認可を受けた伊藤忠エネクス技術研修所で実施する液化石油ガス設備士養成の第一講習では、国内初のオンデマンド化を実現し、学習環境の多様化に対応しております。

・江田島ターミナル基地における取組み

石油・化学品を貯蔵管理している江田島ターミナルは、石油コンビナート特別防災区域に指定されており、消防自動車・固定消火設備等をはじめとする防災設備を完備。社員は防災教育ならびに年間計画された防災訓練を毎月実施し、知識と技術を習得しています。また、江田島ターミナルに勤務するすべての従業員が速やかに出勤可能な地区に居住して、迅速な対応ができる体制を整備しています。

・アスファルト基地での安全会議(毎月実施)

アスファルト基地を有する産業ビジネス事業では、保安担当者と基地・運送従事者参加による安全会議を月に一度開催し、タンク・配管施設の点検、運送並びに積み降ろし時のルール順守などを確認し安全確保に努めています。

・安全運転励行

社内の車両管理規定に基づく安全運転管理者を任命し、車両管理及び安全運転の励行ならびに、社員の安全確保と安全運転意識の向上を図り、車両事故防止に努めています。また、2022年度より営業車両事故の防止、ペーパードライバーが営業車使用部署に配属になった場合等の制度として、実技を伴う安全運転講習を受講できる制度を導入しました。

当社グループでは、すべての事業所において労働安全衛生の向上に取り組み、事故災害の防止に努めています。
2022年度・2023年度、重大な事故はありませんでした。

 

●社外との取組み

詳細については、サプライチェーンをご覧ください。
 

●自然災害・防災への対応

伊藤忠エネクスグループは、経営理念「社会とくらしのパートナー ~エネルギーと共に・車と共に・家庭と共に~」のもと、エネルギーの安定供給を第一の使命としています。可能な限り、お客さまの必要とするエネルギーを絶やすことなく、安全・安心にお届けできるインフラ維持機能を全国に備えています。また、地域の防災強化のために、自治体や地域の皆さまに貢献できる拠点づくりを促進しています。

・全国各地をつなぐ拠点網

■販売拠点【全国12ヵ所】

伊藤忠エネクスグループは、北は北海道、南は九州・沖縄まで全国各地に販売拠点があります。それらの販売拠点と被災地をつなぎ、全社で被災地支援ができる体制を構築しています。

■LPガス中核充填所【全国13ヵ所】

災害時にも安定的にLPガス供給が維持できる中核充填所を全国13ヵ所において運営しています。中核充填所は、災害時インフラ維持機能(自家発電設備・自動車用燃料充填設備・衛星電話など)を兼ね備えており、災害発生時でも被災地域への安定したLPガスの供給を可能にすることで地域の安全と安心を守っています。また、LPガスによる一括の発電・給湯・炊き出しが可能な「災害対応バルクシステム」を備えた事業所も全国に14ヵ所あり、災害時の避難所におけるエネルギーライフラインを確保しています。

※LPガス中核充填所とは
LPガスを容器に充填する設備を有する基地。全国約2,200か所にあり、そのうち約340か所が中核充填所に指定されている。
中核充填所には、災害時にも自立的に稼働できるようにするため、非常用発電設備、緊急用通信設備、LPG車等が配備されている。

■災害対応ステーション(住民拠点SS)【全国129ヵ所】

全国各地のCS(※)において、給油機能を維持するための非常用発電機を装備しており、災害が発生して停電した際も迅速に電力を供給して給油機能を維持することが出来ます。これにより、災害時の緊急車両への優先給油が可能です。
※CS…カーライフ・ステーションの略で、当社がご提案する複合サービス給油所。

■絆ネットセンター【宮城県1ヵ所】

絆ネットセンター(当社グループ会社のエネクスフリート㈱が運営)は、東日本大震災の復興支援の一環として2012年に運営を開始し、街の安全で安心な暮らしに貢献しています。災害発生時にエネルギー供給拠点として避難所や病院へ優先的に供給でき、停電時も太陽光発電・自家発電機によるエネルギーの自給自足設備を完備しており、安定供給が可能です。緊急復旧ステーション(ガソリンスタンド)の復旧運営指導も合わせて行っています。
 

■緊急時のコミュニティタンク(消防水や生活用水)【8地区】

当社グループ会社の東京都市サービス㈱が展開する地域熱供給プラントのうち、8地区の蓄熱槽に使用されている水は地域のコミュニティタンクとして活用でき、災害時に消防・生活用水(飲用水以外の雑用水)を供給することが出来ます。8地区の蓄熱槽容量は合計で約61,550㎥あります。
※参考:20,000㎥の水量で、約60,000人に約10日間の供給が可能。

・防災協定【7自治体と締結】

防災のための街づくりや、災害時に避難所・病院、緊急車両へ優先的にエネルギーを供給するなどの協定を締結しています。

・生活インフラを支える多様な人材・体制

当社グループでは、全国にいる防災士の資格を持った社員をはじめ、災害発生前の「備え」から災害発生後の「復旧対応」に至るまで、グループ一丸となって事態に迅速に対応出来る多様な人材を持ち、社会インフラを支える企業として、社会とくらしをサポートしています。
また大規模な災害が発生した際に備え、BCP(事業継続計画)を策定しています。この計画の中核的組織である「BCP・災害対策本部」を中心に、災害時の事態への対応・全国との適切な連携体制の整備・定期的な見直しを行っています。さらに、首都圏直下型地震のように、東京に大きなダメージがあった場合も想定し、同本部機能を失わないためのバックアップ体制(福岡および広島の各エリアに移管する体制)も構築しています。

・救急救命と災害時対応

各種取組み ・普通救命講習の受講
・救急対応マニュアル掲示
・救命用具、防災備蓄品、防災用品、防災マップ完備
・防災・避難訓練の実施
・防災士資格取得社員数200名以上
・BCP活動の定期的実施
・災害対応ベンダー(食糧・飲料)の設置
・本社・各エリア・災害対策担当者の衛星電話所持
・社員の安否確認システム ・緊急連絡網体制の整備