時は 2024 年。あなたは Uber Eats の注文が届くのを待っています。さっそく、料理到着の通知が届きました。玄関のドアを開けると、そこにいたのはなんと Uber の新しい配達ロボット。 その自動運転車両には最先端の技術が装備されており、現地の安全基準と規制を満たすようカスタマイズされています。まるで未来を舞台にした SF のような話ですが、All Hands ミーティングでオペレーション・ロジスティクスマネージャーの So Funakoshi によって紹介されたロボットを見た私たちは、この技術について更に知りたいという好奇心でいっぱいになりました。
So Funakoshi は世界的な商社の会計部門でキャリアをスタートさせ、数年後には M&A 部門へと異動。企業の合併後の統合プロセスの支援に携わりました。「そこで現在の職務に不可欠なプロジェクト管理について、多くのことを学ぶことができました。また、Uber に入社してからは、プロジェクト実行スキルが身に着いたと感じます」と語っています。Uber での直近の職務では、配達パートナーの人員を管理し、Uber Eats で行われた注文の配達需要を満たす十分な人数を確保するべく取り組んでいます。人員を増やすために、電気自動車や無人搬送車などを利用した新しい配達方法を模索し始め、現在は日本国内におけるロボット配達サービスの実現化をサポートしています。
日本のロボット配達サービスについて教えてください。どのような仕組みなのでしょうか?
「Uber Eats は日本でロボット配達サービスを新たに導入しました。これにより、注文者は配達パートナーだけではなく、自律型ロボットともマッチングされるようになりました。販売業者はこれまでと同じように注文を受け付けますが、注文の品をピックアップするのは配達パートナーではなく、ロボットです。ロボットが到着すると販売業者に通知が届き、注文品をコンパートメントに入れたら配達の準備は完了です。ロボットは配達場所に移動し、注文者は到着したロボットから注文を受け取ります。他の注文と同様に、注文者はロボットの配達サービスを評価することができますが、チップを支払うと返金されてしまいます」
Uber はどうやって日本でのロボット配達サービスを実現させたのでしょう?
「ロボット配達サービスは、三菱電機、そして Cartken 社の協力により実現しました。Uber は、販売業者と注文者、配達サービス提供者をつなぐプラットフォームを提供しています。この配達サービス提供者がロボットになるわけです。Cartken 社により最新のテクノロジーを搭載した自律型配達ロボットが提供され、三菱電機が現地のオペレーターとして自律型車両全般の追跡と管理を行っています。三菱電機と Cartken 社の提携は確立しており、両社はロボットデリバリー協会と現地の規制当局および法執行機関と協力し、日本の安全基準と規制を満たすようにロボットをカスタマイズしました。Uber でも、この実現に向け数多くのチームが協力して取り組みました。安全管理、営業、コミュニケーション、マーケティング、ポリシー、法務、コンプライアンス、現地カスタマーサポート、そしてグローバル自律型モビリティ&配達の全チームが緊密に連携し実現しました」
ロボットについて、またその技術と安全機能について詳しく教えてください。
「このロボットには最新の物体検出技術が搭載されており、日本の歩道を安全に走行するための最も厳しい安全規制を遵守しています。最高速度は時速 5.4 キロメートルで、平均的な歩行者とほぼ同じペースです。ロボットは完全自律型ですが、その動きはリモートオペレーターが監視し、操作しています。安全面を考慮して、緊急停止ボタンと周囲から見えるように三角旗が装備されています。
その他にも、ロボットを規制要件に準拠させるためには、数多くの通常では思いつかないような対応が必要でした。物体の検出を可能にする内蔵カメラは、画像に捉えられた人物を特定することができないようにその顔を隠し、通行人のプライバシーを保護するように設計されています。ロボットの内部には約 27 リットルの断熱素材の保管スペースがあり、食品などの配達中の商品を適切な温度に保ちます」
日本は、米国以外でロボット配達サービスを試みる最初の市場です。なぜ日本が選ばれたのでしょうか?
「日本は Uber Eats 事業にとって重要な市場であり、過去数年間で着実に成長しています。また、公共の歩道が完璧に整備されているという理想的なインフラ環境に加え、国民が新しい技術を受け入れやすいというのも理由に挙げられるでしょう。これに加えて、日本は労働力不足に直面しており、この課題に対処するために先導的な役割を果たしたいと考えています。2023 年の規制緩和により、完全自律型ロボット(オペレーターによりリモート監視されたもの)が日本の歩道で運用できるようになりました。これにより、日本での立ち上げを優先して推進する運びになりました」
ロボット配達サービスの長期的なビジョンを教えてください。
「ロボット配達サービスは、日本橋エリアを皮切りに導入が開始されました。今後は他のエリアにも徐々に拡大していき、配達サービスの提供体制をサポート、そして強化していきます。ロボットは、配達パートナーと共に稼働し、配達ネットワークの一部として組み込まれていくことでしょう」
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投稿者: Amy Harrison